「自分の歯は美しい」
診療室の庭に桜の花が咲きました。春間近ですね。
今回のテーマは「自分の歯は美しい」です。
誰でもいつまでも、一生、自分の歯が良いですね。
Q1.自分の歯がなぜ良いのか?
A.綺麗で長持ちするから。
では、どうして長持ちをするかというと、神経があるからです。
神経のなかに血液が通っているため、神経があることで歯にも血液循環が起こります。
だから、ミネラルを形成することができて、丈夫です。
これは、若い竹がよくしなることに似ています。老いた竹はしなることができず、強い風が起きると折れてしまいます。虫歯になって神経を取った歯も同じです。血液循環がないために脆く、折れやすくなってきます。
また、自分の歯はとても綺麗です。神経があると歯のミネラルが豊富なため、ツヤツヤして美しいです。神経がないと、歯の色が変わってきます。
虫歯治療した歯も、時間が経つと劣化して詰め物の色が変わってきます。ちょうど、台所やお風呂場の換気扇の白い枠が次第に黄ばんでくるようなものです。歯の場合はさらに、経年変化でプラスチックが欠けて自分の歯との境に段差ができ、パッチワークの様になってきます。
Q2.自分の歯を失うのはどんな時?
A.虫歯。そして、歯並びが悪い時。
歯を失う原因の1つが磨き残しからの虫歯。
虫歯になりやすいところはいつも同じ所がなります。なぜなら、歯を磨くときのクセがあるからです。たとえば、右利きの人は右側が磨きにくい。磨き方にもムラが出ます。当院では鏡を見て磨くように指導していますが、誰もがそれをできているわけではありません。すると、磨き足りないところが虫歯になります。最初は治した所が小さくても、また、そこが虫歯になるとさらに大きく治療することになります。その挙句、自分の歯の部分が少なくなり、歯を失います。
原因の2つ目は咬合からくる歯への負担。
歯並びが悪いと、歯にかかる咬合力のバランスが崩れるため、どこか一部に無理な負担がかかります。歯にヒビが入ったり、削れたりします。その治療で被せ物や詰め物をすると、自分の歯との間から虫歯になったり、歯茎が腫れることもあります。最悪、折れる場合もあります。その歯に神経がない場合は、特にそうです。
さらに、歯並びが悪いと唾液の自浄作用が働きにくくなり(詳細は前回記事)、それが虫歯を引き起こし、自分の歯を失うことに繋がります。
Q3.自分の歯を守るにはどうしたらいいのか?
A.3つあります。
その1.
お口の中を中性にする時間を増やす。
口腔内のphは6.8〜7.0の中性です。
食事や口腔内細菌によりお口の中が酸性に傾き、歯からミネラル成分が溶け出しやすい状態になります。
ややアルカリ性のだ液は口腔内を健康な状態に戻してくれます。
そのためには、おやつ、食事などのダラダラ食いはやめて下さい。
その2.
フロスや糸ようじ、歯間ブラシを使った丁寧な歯磨きがお薦めです。
歯ブラシだけだど、歯の面しか掃除できません。歯と歯の間には歯ブラシは通りません。フロスや糸ようじを使えば、歯ブラシの届かないところも磨くことができます。
また、フロスがほつれた所は、虫歯だったり、歯石が溜まっていたり、かぶせ物の不適合だったりします。それに早期に自分で気がつくことができます。早期発見ができると、虫歯が神経に至る前に治療することができます。
ぜひ、鏡をみながら、自分が今どこを磨いているかを自覚をしながら磨いてください。磨きムラや磨き残しを防ぐことができます。洗面台の鏡でも、手鏡でもOKです。
その3.
3つ目の対策として、矯正治療をお薦めいたします。
歯並びがいいと自分の歯を長く使えるからです。
歯を無くしてから後悔している患者様はとても多いです。何歳になっても年齢や状態に合わせた矯正があります。私の診療室では歯周病がひどくならない様に60代、70代の方も矯正治療をしています。ご相談ください。
自分の歯は、お手入れをすればするほど美しくなります。
自分の歯があれば、ずっと自分の歯で噛めます。
たくさん咀嚼する事で、お口の周りの筋肉をしっかり使う事で豊かな表情にもなれます。
だ液もいっぱい出ます。脳血流、顔面血流量もアップすることで病気の予防にもつながります(詳細は前回記事)。
いい事ばかりですね。
お口のお手入れから素敵な笑顔に!
たまプラーザ駅から車で5分、駐車場4台有り、美しが丘西郵便局隣、
MOM Dental Clinic 院長
日本矯正学会認定医 服部優子